注目キーワード

リース会計基準

リース会計基準のポイント
所有権移転外ファイナンス・リース取引について、「通常の賃貸借取引に準じた会計処理」の廃止

これまではファイナンス・リース取引において一定の注記があれば「通常の賃貸借取引に準じた会計処理」を行うことができるという例外処理が認められており、実際は大半の企業がその例外処理を採用していました。
しかし、日本に会計基準の国際統合の流れと企業の情報を正確に開示すべきとの意見から、2008年4月1日以降例外処理は廃止され「通常の売買取引に係る方法に準じた会計処理」が義務づけられました。
金融庁から企業会計基準第13 号「リース取引に関する会計基準」が公表されています。
(金融庁ホームページ)

リース会計基準のポイント
小額リース資産等に係る簡便的な取扱い
  • リース契約1件あたりのリース料総額が300万円以下のリース取引
  • リース期間が1年以内のリース資産
⇒簡便的に、オペレーティング・リース取引の会計処理を行えます。
※オペレーティング・リース取引の会計処理:「通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理」

不動産に係るリースの取扱い
  • 土地・建物等の不動産のリース取引についても、動産と同様に判定を行います。

⇒概ね、オペレーティング・リース取引に該当します。

  • 土地と建物を一括でリースした取引

⇒原則として、土地に係る部分と建物等に係る部分に分割した上で、現在価値基準の判定を行います。


転リース取引

リース物件の所有者から当該物件のリースを受け、更に同一物件を概ね同一の条件で第三者にリースする取引を言います。

リース会計基準:転リース取引
借手・貸手としてのリース取引の双方がファイナンス・リース取引に該当する場合の取扱い
  • B/S 上

リース債権又はリース投資資産とリース債務の双方を計上します。

  • P/L 上

支払利息、売上高、売上原価等は計上せずに、貸手として受け取るリース料総額と借手として支払うリース料総額の差額を手数料収入として各期に配分し、転リース差益等の名称で計上します。

  • 注記

BS に含まれるリース債権又はリース投資資産とリース債務の金額を注記します。


連結財務諸表における判定

現在価値基準を判定する場合、必要に応じて、親会社のリース料総額および連結子会社のリース料総額合算した金額に基づき判定を行います。 ただし、重要性が乏しい場合には、親会社および連結子会社の個別財務諸表における結果の修正を要しません。

リースの判定基準

ファイナンス・リース取引に該当するか否かという判断

リース会計基準:リース判定基準
※現在価値基準
現在価値基準の判定においては、維持管理費用相当額(固定資産税、保険料等の諸費用)は、リース料総額から控除します。
所有権移転外ファイナンス・リース取引

所有権移転外ファイナンス・リース取引は通常の売買取引に係る方法に準じて会計処理を行うこととなります。ただし、少額リース資産等については、簡便的な取扱いが認められています。

借手 貸手
基本的な
会計処理
  • リース取引開始日には、リース物件とこれに係る負債を、リース資産およびリース債務として計上する
  • リース開始日における計上額は、リース料総額の現在価値と貸手の購入価額等とのいずれか低い金額
  • 「リース投資資産」として表示する
  • リース取引開始日に通常の売買処理に係る方法に準じた処理を、次のいずれかの方法を選択して適用する
  1. リース取引開始日に売上高と売上原価を計上する
  2. リース料受取時に売上高と売上原価を計上する
  3. 売上高を計上せずに、利息相当額を各期へ配分する
BS:表示 【リース資産】
原則として、有形固定資産、無形固定資産の別に、一括してリース資産として表示する
【リース債務】
入金期限に応じて流動/固定に分けて表示する
  • 主目的たる営業取引である場合には流動資産に表示する
  • 営業の主目的以外の取引である場合には、入金期限に応じて流動/固定に分けて表示する
PL:減価償却費
  • 原則として、リース期間を耐用年数とし、残存価額ゼロとして算定
  • 償却方法については、自己所有の同一資産と同じ必要はなく、企業の実態に応じたものを選択する
利息相当額の総額 利息相当額の総額は、リース開始日におけるリース料総額とリース資産(リース債務)の計上価額との差額となる リース契約締結時に合意されたリース料総額(残価保証がある場合には、残価保証額を含める)および見積残存価額の合計額から、これに対応するリース資産の取得価額を控除することによって算定する(会計基準13項)
PL:利息相当額の配分方法 原則として、従来の取扱いと同様だが、重要性が乏しいと認められる場合の取扱いが、次のいずれかの簡略的な方法が適用できる
  • リース料総額から利息相当額の合理的な見積額を控除しない方法
  • 利息相当額の総額をリース期間にわたり定額法で配分する方法
原則として、従来の取扱いと同様だが、重要性が乏しいと認められる場合の取扱いが示された
利息相当額の総額を定額でリース期間にわたり配分する方法を適用することができる
ただし、リース取引を主たる事業としている企業には、この簡便的な取扱いは認められていない
その他 【少額リース資産等に係る簡便的な取扱い】
簡便的に、オペレーティング・リース取引の会計処理に準じて、通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行うことができる
【貸手の製作価額等と借手に対する現金販売価額に差がある場合の処理】
  • 当該差額はリース物件の販売益として扱う
  • 当該販売益は、販売基準又は割賦基準により処理する
注記 重要性が乏しい場合を除き、リース資産について、次の項目を注記する
  • その内容(主な資産の種類等)
  • 減価償却の方法
重要性が乏しい場合を除き、リース投資資産について、次の項目を注記
  • 将来のリース料を収受する権利部分(利息相当額控除前)
  • 見積残存価額部分の金額(利息相当額控除前)
  • 受取利息相当額
  • リース投資資産に係るリース料債権部分について、貸借対照表日後5 年以内における1 年ごとの回収予定額と5 年超の回収予定額を注記
【既存のリース取引について例外処理をした場合の追加的な注記】
  • 引き続き通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を適用している旨
  • 改正前基準で必要とされていた注記
【既存のリース取引について例外処理をした場合の追加的な注記】
  • 引き続き通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を適用している旨
  • 改正前基準で必要とされていた注記
所有権移転ファイナンス・リース取引

所有権移転ファイナンス・リース取引は通常の売買取引に係る方法に準じて会計処理を行うこととなります。従来の会計処理からの大きな変更はありません。

借手 貸手
基本的な
会計処理
  • リース取引開始日には、リース物件とこれに係る負債を、リース資産およびリース債務として計上する
  • リース開始日における計上額は、リース料総額の現在価値と貸手の購入価額等とのいずれか低い金額
  • 「リース投資資産」として表示する。
  • リース取引開始日に通常の売買処理に係る方法に準じた処理を、次のいずれかの方法を選択して適用する
  1. リース取引開始日に売上高と売上原価を計上する
  2. リース料受取時に売上高と売上原価を計上する
  3. 売上高を計上せずに、利息相当額を各期へ配分する
PL:利息相当額の配分方法 原則として、従来の取扱いと同様だが、重要性が乏しいと認められる場合の取扱いが、次のいずれかの簡略的な方法が適用できる
  • リース料総額から利息相当額の合理的な見積額を控除しない方法
  • 利息相当額の総額をリース期間にわたり定額法で配分する方法
原則として、従来の取扱いと同様だが、重要性が乏しいと認められる場合の取扱いが示された
利息相当額の総額を定額でリース期間にわたり配分する方法を適用することができる
ただし、リース取引を主たる事業としている企業には、この簡便的な取扱いは認められていない
PL:減価償却費 自己所有の固定資産に適用する減価償却方法と同一の方法により減価償却費を算定する。この場合の耐用年数は、経済的使用可能予測期間とする
注記 重要性が乏しい場合を除き、リース資産について、次の項目を注記する
  • その内容(主な資産の種類等)
  • 減価償却の方法
重要性が乏しい場合を除き、リース投資資産について、次の項目を注記
  • 将来のリース料を収受する権利部分(利息相当額控除前)
  • 見積残存価額部分の金額(利息相当額控除前)
  • 受取利息相当額
  • リース投資資産に係るリース料債権部分について、貸借対照表日後5 年以内における1 年ごとの回収予定額と5 年超の回収予定額を注記
オペレーティング・リース取引

通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行うこととなります。従来の会計処理からの大きな変更はありません。
(借手側および貸手側の注記)
オペレーティング・リース取引のうち、解約不能のものに係る未経過リース料は、貸借対照表日後1年以内のリース期間に係るものと、貸借対照表日後1年経過以降のリース期間に係るものに区分して注記します。なお、重要性が乏しい場合には、注記不要です。


詳しくは詳細ページへ

このページのトップへ